【福岡へUターン転職】「年収が半減したとしても、幸せ」と語る旦那。そのとき妻の本音は?

「やりたい仕事がそこにある」「事業継承のため」「単に地元に帰りたい」「理想のライフスタイルのため」「街を気に入った」といった具合に、Uターン転職の理由は人によって千差万別。Uターン転職をしたからと言って、当初思い描いていた業務や働き方、暮らしが実現できる保証なんてどこにもありません。一生福岡宣言をした私からすれば、「それでも」と心を固め、慣れ親しんだ土地を離れ、新しい土地での生活を選んだ方達の勇気を褒め称えたい。ブラボー!ハラショー!もし自分のパートナーが福岡以外の土地に転職すると言ったら、きっと私は大きな声で「NO」を唱えることでしょう。そうやって考えると、世の中のUターン転職妻は、本当にえらいですね。戸惑いや不安はなかったのでしょうか?ちょっと、お話をうかがってみることにしました。

もくじ

■収入減は想定しておかなければならない。

<お話を聞かせてくれた方>
●さなさん(仮名):鹿児島県出身。新卒で入社した福岡の会社に3年ほど勤め、その後上京。福岡出身の旦那さまとは東京で出会い、結婚。昨年から福岡に移住してきた、3歳児と0歳児の母。

 

ー早速ですが、Uターン転職すると聞いたとき、どんな気持ちだったんですか?

旦那さんは家族を大事にするタイプ。長男としていつか福岡に帰って親の面倒をみたいという思いを抱いていることは常々感じていました。ですから、驚きはありませんでしたね。第一子が生まれたのをきっかけに、「もっと家族の時間を増やしたい」と本格的にUターン転職を考えるようになったようです。「福岡に帰ること」が大前提だったので、福岡で彼がやりたい仕事に巡り合えるのかな・・・?私としては、それだけが心配でした。

ー旦那様のやりたい仕事、ですか?

彼は新卒で入社してから12年間、テレビ美術の仕事一本だったんです。やりがいを感じていたようなので、同じような仕事を探していたようですが、なかなか見つからなくて。

ーテレビの仕事となるとかなりニッチですもんね。

エージェントに登録したものの、最終的には知人の紹介でイベントなどを中心に設営する制作会社に勤めることになったんです。「東京の第一線で働いてきた」ということが、ありがたがってもらえたみたいで。地場企業なので規模こそ大きくはありませんが、その分上司との距離が近いようなんです。大好きな現場での仕事は減ったけど、CADで図面引いたり、新しい仕事を任されたり・・・期待もされて、楽しそうなのでよかったです。

ーどんなニッチな経験でも活かせる仕事が福岡にもあるってことですね。仕事の内容は満足されているようですが、働き方の面ではどうですか?

そうですね。私としては残業時間が激減して、家族の時間が増えたのも嬉しいです。以前は4週に1週は帰って来れないみたいな日が続いていましたが、いまはほぼ定時で帰ってきます。休日出勤も滅多にないですから、家族の予定は立てやすくなりました。とはいえ、朝はゆっくりして、昼ごはんに旦那の実家でご飯を食べて、それから家族揃ってスーパーなどに買い物に行くなど、用事を済ませることが多いですね。地元の仲間に誘われて野球をしたり、音楽を聞いたりして、本人も休日を満喫できるようになりました。・・・ただ、その分収入が激減しました。

ー残業代が無くなったからということでしょうか?

それは大いにありますが、基本給だけみても東京に比べ福岡は低いですね。元々、残業代が人には言えないレベルでいただいていたこともあり、収入はおよそ東京時代の半分。東京よりも物価が安いとはいえ、第二子の出産に、マンションの購入にと物入りだったので、おそらく今年度は赤字です。

ーその割に笑顔ですね。

悲観していません。経験者採用とはいえ、入社1年目なので給与は最下限から始まると聞いていました。今が最下限なら、あとは上がるしかないですし、福岡の同業種にしては給与も悪くないみたいなんです。

ー私なら、転職に大反対しちゃいそうですが(笑)。さなさんは納得してらっしゃるんですね。

事前の話し合いって大事ですよね(笑)。私たちの場合は想定していましたしからね。貯金が減るのは不安ですが、今は新しい生活が整うまでの投資期間だと思っています。そうそう、車もね、買いました。「家族」が大好きな旦那さんですから、選んだのはもちろんファミリーカーです。

■車が生活必需品ということは、覚悟をしていなくてはならない。

コンパクトシティって言いますけど、東京に比べて一つ一つの駅の距離が長い。ついでに運賃も高い。交通網も不十分だと感じます。日用品の買い物に行くにしてもそう、子供と遊びに行くにしてもそう。もう車がないと生活できない。海も山も駅からは遠い場所にありますし、大型ショッピングモールは駅から遠いケースがほとんど。最寄り駅まで徒歩10分の我が家でさえ、こうですから郊外の方はもっと大変だと思います。

ー実は私も一昨年までは福岡市に住んでいたので、あまり必要としていなかったのですが、郊外に新居を建てまして…車がないと生きていけないと思い、慌ててペーパードライバー講習を受けました。

私も東京で生活していたので、15年くらい運転していません。子供の送り迎えのことなどを考えると、今後練習しなくてはならないかと思って、げんなりしています。

ー送り迎えというと保育園ですか?保活はスムーズでしたか?

実はまだ保育園は決まっていません。6月から私も前職の経験を生かして、パートタイムだけでも働きに出ようと思っているので、これから探すところです。福岡市は「激戦区」と言われていますから、がんばらないと。

ーたしか、前職は人材系のお仕事でしたね。東京の第一線で働いていた方であれば、パートでもいいから手伝って欲しいという企業さんはたくさんありそうですね。仕事探しでは苦労がなかったようですが、子供を育てるという観点ではあまり満足されていないのでしょうか?

県内の他の都市、例えば春日市・大野城市ならまた違ったかもしれませんけど。子育て支援が特別、手厚い方だとは思いません。そんなに混んでいないので、ベビーカーで電車を利用しやすいとかはありますけど、それは支援と違いますもんね。(笑)あと、子供を無料で遊ばせる場所が意外と少ないと感じています。先程の話に通じるのですが、あったとしても、海とか山とか交通の便がよくないことが多いです。

■福岡への移住で心が楽になった。

収入は減ったし、不便になったとは思うのですが、移住してきてよかったと思うところも多いです。以前の旦那さんは、いつか過労で倒れるんじゃないかと思って本当に心配でした。仕事で忙しいのは明らかなので、家庭のことは私1人で守らなくてはならないというプレッシャーもあり、ほぼ育児はワンオペ。でも、いまは違います。私の姿が5分見えないだけで大号泣だった長女が、旦那さんと2人だけでお風呂に入れるようになったんです。

ーお子さんにとってもいい環境だということでしょうか。

そうですね。ここに引っ越してから子ども部屋ができたので、室内用のジャングルジムを買いました。このご時世ですから、室内で遊ばせておけるって、安心ですね。

ー子供を遊ばせるスペースが家の中にあるっていいですよね。東京の時は1LDKだったと聞いてますから、それから比べたらかなり広くなったんじゃないですか?

そうなんです。4LDK+バルコニーなのですが、月々の支払いだけで言えば、東京時代の賃貸料より安いくらい。まぁ、ボーナス付きの支払いがあるので、トータルでどっこいどっこいですけど。旦那さんが内装にはこだわりがあったので、好きなようにリノベーションをして居心地の良い空間になったと思います。床材を全て張り替えたところ予算を圧迫したので、その分建具をそのまま活かすなど、楽しみながら工夫しました。まさか家持ちになるとは・・・しかも駅チカ物件!福岡市内という立地柄、値下がりもしないはずですから、将来どんな状況になっても対応できると思うと心強いです(笑)。

ーというと、福岡県外への移住などの可能性もあるということでしょうか?

いえ、それはもうありませんね。なんだかんだで住みやすいと実感していますし。それに、お金や遊びよりも、大事なモノってあるって思うんです。そういう意味では、私たち家族にとってこの移住は大成功だと実感しています。

ーでは、さなさんも私と同じく「一生福岡宣言をした」とみなしていいですか?

えー(笑)。状況が変われば、考えも変わるかもなので、「いまのところ、福岡宣言」くらいでお願いします。

ーちょっと残念ですが、インタビューは以上になります。さなさん、ありがとうございました。

■良かったこと、悪かったことまとめ

利便性や収入の面では、福岡移住のデメリットであることは間違い無いようです。ですが、東京に比べると物価が安いため、中心部の駅チカ物件に住むことは容易であり、そのため通勤時間が短縮されたという声もあります。そういった意味でも、家族の時間が以前より増えて、心の余裕につながったと言うことでしょう。実はこのような話は、さなさんだけではなく、多くの移住者から聞かれる声です。最後に今回の取材をまとめてみましたので、福岡転職をご検討の際にはご家族としっかり話し合われてください。

さなさん、今回はありがとうございました。

【仕事の面】
*探せばニッチな仕事も見つかる。
*東京で仕事をしていたというだけで社内評価が高い。
【お金の面】
*収入は減る傾向があるがあるので覚悟が必要。
*物価が安い分、駅チカであっても家を購入しやすい。
【利便性】
*電車の本数が少ないなどエリアによっては不便。
*車がないと生活が困難なエリアも多い。
【子育て】
*十分だとは感じない。特に福岡市は保活激戦区。
*時間に余裕ができた分、旦那さんの協力が得られる。
【穏やかさ】
*家族の時間が増えて、心の余裕が生まれる。

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ABOUTこの記事をかいた人

安永 桂子

生まれも育ちも福岡市博多区。福岡県以外で生活をしたことがない、生粋の福岡県人です。 この先も福岡を出る気が一切ありません!って断言できるくらいには、福岡ラブ★趣味はライブ参戦♪